商店街
商店街を対象とした情報システムに関する研究・開発を行っています。
【2009年度】商店街における情報システムの構築および商店街ネットワークの構築
野中大志郎(院前期1年),小田島啓介(学部4年),及川直樹(学部4年)
近年,商店街の来街者数が減少し,商店街の活力が無くなっているといわれています.全国商店街振興連合組合による2644の商店街を対象に行った平成18 年度商店街実態調査報告書では,商店街の最近の景況について対象商店街の70%が「停滞しているが衰退する恐れがある」,「衰退している」と答えていま す.また,同調査報告書では,商店街の問題として「魅力ある店舗が少ない」,「商店街活動への商業者の参加意識が薄い」などが挙げられています.この問題 を解決し,商店街を活性化させるために全国の商店街では様々な取り組みが行われています.
本プロジェクトでは,商店街における問題解決の新たな取り組みとして次の3つの取り組みを行っています.
1つは,商店街における来街者を対象にニーズを把握し,マーケティング分析を可能とする情報システムを提案しています.商店街および個店の特性は,地域に 強く依存しているといわれており,地域住民をはじめとする消費者のニーズを継続的に収集及び分析を商店街や個店に反映させることによって魅力を高めること ができると考えられます.そのために,来街者参加型の情報収集及び配信を行うと共に,収集された情報からマーケティング分析を行い,分析結果を魅力ある商 店街および個店作りに生かすことによって,来街者の増加を目指しています.
2つ目の取り組みとして,商店街ネットワークの構築を試みています.商店街ネットワークは商店街に属する商店の情報を配信する仕組みを構築するため,商店の情報を一元管理し,効果的に配信するための商店街ネットワークポータルサイトです.商店街は大店法により競争力を失い,その法律の廃止により大型店との競合が大きな影響を及ぼしています.そのため本プロジェクトでは,商店街ポータルサイトなどの協力関係や競争力を考慮した商品情報の配信やコミュニティ作成などにより競争力の向上を図ります.
3つ目の取組みとして、商店街個店の経営支援を目的とした情報配信システムを提案しています。商店街の活性化において、商店街を構成する個店の魅力を伝えていくことが必要不可欠ですが、個人事業者を対象にした情報システムは少なく、導入が困難な状況にあります。そこで、個店にニーズに合った情報システムを導入し、効果的な商店の魅力配信を行うことで個店の経営支援を目指しています。
これらの3つの取り組みによって商店街活性化の一助となることを目指しています.